HANABI
「実優!実優!どうしたの?あっちの席に座ろ?」
「え?あ、うん。」
沙智に肩を触られて、ぼーっとしてた頭がハッとした。
沙智が選んだ窓際の席は、出窓にアンティークな小物が並べてあった。
席に座って店の中を見渡した。
かわいらしいシャンデリアや、花の形をしたスタンドライト。
テーブルやソファーやイスは猫足で、なんだか趣がある。
壁にかけてある時計や飾りもアンティークな物ばかりで、なんだかホッとする。
「気に入ったでしょ?」
「うん、めちゃくちゃかわいい。こんな家に住みたい。」
「実優の部屋もこんな感じの家具とか多いもんね~」