RUNA戦記Ⅳ~常若の国の秘密~
「そんなの…アンタが一方的に思ってただけでしょ?私はねぇ、これっぽっちもそう思ってなかったから!…でも、ディスティニーがチャンスをくれたってことは、それなりに、理由があったのかもね、もう一度、チャンスをくれるくらいの」
ティカは冷笑を浮かべた。
「…確かに、親友だって思ってたのは私の方だけだったかもしれない…。だって、ティカは、私にとって、初めてできた友達だから。追いかけてたい、憧れの存在だった!!」
あふれた涙が止まらない。
「私、ティカがいたから、ここまで来れたんだよ」
そのとき、ティカの顔が少し—ほんの少しだけ、柔らかくなった…ような気がした。
ティカは、ルナに背中を向けて、グイーの去った方へ歩いていく。
あぁ、私のこの声も手も、心も…ティカには届かないんだね。