RUNA戦記Ⅳ~常若の国の秘密~












「そんなの…アンタが一方的に思ってただけでしょ?私はねぇ、これっぽっちもそう思ってなかったから!…でも、ディスティニーがチャンスをくれたってことは、それなりに、理由があったのかもね、もう一度、チャンスをくれるくらいの」



 ティカは冷笑を浮かべた。




「…確かに、親友だって思ってたのは私の方だけだったかもしれない…。だって、ティカは、私にとって、初めてできた友達だから。追いかけてたい、憧れの存在だった!!」



 あふれた涙が止まらない。



「私、ティカがいたから、ここまで来れたんだよ」



 そのとき、ティカの顔が少し—ほんの少しだけ、柔らかくなった…ような気がした。



 ティカは、ルナに背中を向けて、グイーの去った方へ歩いていく。


 あぁ、私のこの声も手も、心も…ティカには届かないんだね。









< 132 / 266 >

この作品をシェア

pagetop