RUNA戦記Ⅳ~常若の国の秘密~
ティカは、俯いたまま、首を振った。
「それは、できない」
…!?
「何でだよ…」
「ルナには、私のことを忘れてほしいから。忘却魔法げ使えれば、良かったんだけど、私、会得できてないから。私ね、ルナの笑顔…大好きだったんだぁ。その笑顔だけは…失いたくないの」
「その笑顔を、オマエは自ら—」
「わかってる。でも、私にはこの手段しか残されてなかったの。他になかったのよ。だけど、私は、ルナのこと大好きだった。…カナテ、この話、ルナには言わないで。こんなんことした意味、なくなるから」
少し迷ったが、カナテは頷いた。
ティカの、最後の我が儘だから—。