プレシャス・ラブ ♪
五章:♪♪♪

─スミレ─

ユタヤが「行かない!」って一点張りに拒んだ旅行が今日から始まった。



そんなに遠い居場所じゃなくて、
頑張れば日帰りできる場所なんだけど、2泊3日の宿泊費や交通費を考えたら余り遠くへは行けない。



鈍行電車で行くくせに、

冷凍みかんや駅弁を買って電車の中で食べながら、着いた旅館は、


値段の割りに素敵な和風の宿。



畳が敷かれた部屋には床の間があって、

部屋の奥には大きな窓とフローリングの踏込に椅子とテーブルが置かれている。



私は、荷物を置いて踏込に置いてある椅子に腰掛けた。


「イイ感じじゃん!ここ!!」


「ここにして良かったぁ!」


「お茶飲む?」


「飲む~!!」


私達は、今日から泊まる部屋を堪能してから外へ出かけた。




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