たとえ人類が滅びようとも

雑音があってよく聞こえない、耳を澄ますと、

「...先生..だい...じょ..林先生大丈夫かい!?」

馬鹿なと思うがどうやら意識があるらしい。

僕は勢いよく振り返った。

早苗と蛍はびっくりして立ち止まる。

「「どうかした?」」

「いや、なんか林先生の意識があるようなんだ。」

3人して目をこらして先生達を見る。

「....林先生?林先生!!?良かったぁ大丈夫です..か?..」

すると、1人の先生が何かに引っ張られるように前に倒れた。

と、

「..きゃぁぁぁぁ!!」

引っ張られた女の松田先生が悲鳴を上げる。

林先生が松田先生の喉元に噛み付いていたのだ。

林先生の目は焦点が合ってなく宙をさまよっている。

他の先生が2人を引き離そうと引っ張るが林先生の力が強く離れない。

松田先生はビクビクと痙攣し、数秒後止まったように見えた。

しかし、唸るような声を上げ松田先生が振り返った。

その目は林先生のように宙をさまよっている。

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