ヤンキー王子とラブレッスン③【完】
だから、五十嵐くんが……。


「心優、俺を信用しろ!!
絶対受け止めてやる!!
早く飛べっ!!」


そう言ってくれる言葉にも、耳が貸せなくなった。


でも……。


「心優!!
心優!!
心優っ!!」


五十嵐くんが、あまりにもたくさん、あたしの名前を呼ぶから……。


コンクリートにへたりこんだ状態のまま、ずりずりといざるようにしてテラスの淵から、少しだけ顔をのぞかせた。
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