ヤンキー王子とラブレッスン③【完】
五十嵐くんの信念
みんなから離れたところ……。
木に寄りかかった玲央くんが、目をつむった状態で口を開く。
「なぜだろうな?
煌からいつも離れない楓が、今日に限って、煌と一緒に行動しなかったのは」
それに対して、誰も口を開かない。
「おまけに……。
授業のときでさえ、プールには近づこうとしないキミが。
今日に限っては、プールを捜したいと、異常な執着を見せた。
そんな楓は、明らかにおかしい」
目をつむったまま……玲央くんは、淡々と話し続ける。