白球の彼方~君に託した夢~


俺はただただ
ノックだけに圧倒されていた。

いつも厳しい東先輩があんな苦しそうな顔をしていたり、
岡部先輩は【部長】だからと言って球数を倍にしたり


本当に中学とは思えなかった。


こんな所に俺が居ていいのかと感じるくらい凄かった。



「いつかあれを受けるとなるとゾッとするな」
海斗が久しぶりに口を開いた。
「少年野球の頃、打率がチームの中で断トツに高くて、ヒーロー気分だった自分が馬鹿みてぇだよ」


海斗の話しを聞いてると
やっぱり海斗も野球だけは上手いんだな。

『そのレベルがここじゃ普通くらいだから怖いよな。』

「何だかんだ言って一番必要なのは
この練習を二年半やっていけるだけの根性だよな。」

そう言っていつものニカッとした笑顔を向ける。


「すいませーん。」


調度ノックが終わった時、高い声が聞こえた。



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