白球の彼方~君に託した夢~
翌朝。
野球部は約束通り、仮入部の人達を除きグランドに集合した。
そこには雛菊もいた。
まだ眠いのか、目がうつらうつらとなってる。
監「春でも4時じゃ寒ぃーな。お前ら早くランニングして体温めろよー。」
「あぁアカンわ。」
隣にいた船木先輩が呟く。
『何がアカンなんですか?』
因みに今回初会話。
「ん?あぁ、新入生は知らんのか。ランニング急かす時は監督かなり体調ええねん。
今日のノックは一人50いくかね。」
『ひ、一人ですか?』
「何今更驚いとんの。これがウチの常識やで。」
恐ろしい。
小学校で50なんて体験したことないのに
いきなり出来るのか??
雛「はいはーい、皆早く列んでやー!」
海「何で美愛ちゃんも関西弁なのさ。」
「船木先輩のがうつった!」
「そんな可愛ええ声で言うなや~、照れるやん!」
そんな会話を聞いてる内に、俺は雛菊を目で追ってしまう。
やっぱり体が熱い。
今までバットとグローブにしか恋したことが無かったから
本当にこれが恋なのか疑ってしまう。
でも
やっぱり恋なんだろうな。