【短編小話】失 恋
キャンドルの向こうに、親友と大好きな人が寄り添っている。

あたしは幸せ色のブーケを膝に乗せ、沢山の拍手を送る。

ブーケの中には、比奈があたしに宛てたメッセージ。

『柚が、目一杯幸せな未来でありますように!』

こんなん、あたしが取らなきゃダメじゃんか。

恋の忘れ方。

そんなものを覚えるより、

終わるのも始まるのも、後で想い出せる恋愛をすることが大事なんだって学んだ失恋。

「二次会行くだろ?」

隆平の言葉に、笑顔で頷いた。

きっと、今のあたしはイイ顔してる。

今日のとこは、花嫁には負けるけどね。



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