【短編小話】失 恋
あんたと距離を置いてしまった。

席が離れて、グループも違ってて、あたしたちの接点はかすれていく。

教室の端で聞いてたよ。

いつもの仲間たちと笑うあんたの声。

毎日、笑ってた。

すごく、すごく、楽しそうに。

あたしも友達と笑ってた。

だけど、あんたが笑ってるときは素直に笑えなかったんだ。

すごく、すごく、あんたが遠くて。

友達が時々「って、聞いてる?」ていうのを笑って返しながら、心の中はからっぽだった。
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