【短編小話】失 恋
あんたはホントにかっこよかった。

見た目もそうだけど、明るくてイイヤツで、いつだって周りに人がいた。

じっと見るなんてできるわけもなくて、あたしはあんたを視界からわざと外した。

だって。

これ以上、あたしの気持ちが膨らんだら、どうしていいか分かんなかったから。

忘れる、それが精一杯だったんだよ。

笑っちゃうよね?

そんなこと、すればするほどに深みに嵌まるなんて。

自分の心に目を背けたって、何の解決もしないのにね。
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