【短編小話】失 恋
そこに写っていたのは、あたしと、あたしの大好きだった人の写真。

今よりずっと若いあたしは化粧が板についてなくて、だけど、とてもとても綺麗に見えた。

片思いで終わった恋だけど、あたしはホントに幸せだった。

大好きだったから、最期の最期まで言わなかった気持ち。

あんな・・・切ないほど愛しくて、苦しいのにどっか温かい気持ちになったのは初めてだった。

思いやること、それが愛情の深さなんだって知った、23歳のあたしの恋。

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