情炎の焔~危険な戦国軍師~
「左近様は大丈夫でしょうか」
心配で仕方ない私は船の上で三成様にそっと聞いてみる。
「なんだ。あいつが気になるか?」
「気になるっていうか、心配っていうか、案じているっていうか」
「ふっ」
私の変な返事を聞いて三成様は笑った。
「あくまでも味方への指示を出したり、大坂を通って家康の元に行こうとする奴らを食い止めているだけだから心配ない。それに簡単にやられるほど、あいつはやわではない」
「そりゃあ左近様はタフでワイルドな感じですけど」
「たふでわいるど?」
「あ、えーっと、とにかく強そうってことです」
そんな会話をしばらくしていて、気付くと辺りはすでに暗くなっていた。
現代でいえば夜の7時から8時くらいなのだろうか。
なんてことを考えながら、三成様曰く大坂城下が見えて来た頃だった。
「あれは?」
大坂城下の大名屋敷が建ち並んでいるのだが、その一角がすさまじく明るい。
あれはどう見ても火柱だ。
とたんに今は文章の消えた、あの歴史小説に書かれていたことを思い出す。
「あれは細川屋敷…」
「何、本当か?友衣」
人質になることを拒否した明智光秀様のご息女であり、細川忠興殿の妻である細川ガラシャ様。
しかし彼女はキリスト教に帰依しているため、自害出来ない。
そこで家臣に自分を殺させた。
その家臣も屋敷に火を放ち、命を絶った。
そんな壮絶な話だった。
「とにかく城へ」
三成様は船着き場に船を停泊させ、大坂城に皆で向かった。
心配で仕方ない私は船の上で三成様にそっと聞いてみる。
「なんだ。あいつが気になるか?」
「気になるっていうか、心配っていうか、案じているっていうか」
「ふっ」
私の変な返事を聞いて三成様は笑った。
「あくまでも味方への指示を出したり、大坂を通って家康の元に行こうとする奴らを食い止めているだけだから心配ない。それに簡単にやられるほど、あいつはやわではない」
「そりゃあ左近様はタフでワイルドな感じですけど」
「たふでわいるど?」
「あ、えーっと、とにかく強そうってことです」
そんな会話をしばらくしていて、気付くと辺りはすでに暗くなっていた。
現代でいえば夜の7時から8時くらいなのだろうか。
なんてことを考えながら、三成様曰く大坂城下が見えて来た頃だった。
「あれは?」
大坂城下の大名屋敷が建ち並んでいるのだが、その一角がすさまじく明るい。
あれはどう見ても火柱だ。
とたんに今は文章の消えた、あの歴史小説に書かれていたことを思い出す。
「あれは細川屋敷…」
「何、本当か?友衣」
人質になることを拒否した明智光秀様のご息女であり、細川忠興殿の妻である細川ガラシャ様。
しかし彼女はキリスト教に帰依しているため、自害出来ない。
そこで家臣に自分を殺させた。
その家臣も屋敷に火を放ち、命を絶った。
そんな壮絶な話だった。
「とにかく城へ」
三成様は船着き場に船を停泊させ、大坂城に皆で向かった。