情炎の焔~危険な戦国軍師~
「正直に言えば、確かに怖いです。戦なんて初めてですから」
「はい」
左近様は頷いて話を聞いてくれる。
「三成様や左近様を守りたいというのは本当です。でもやっぱり不安なんです」
「ええ」
「ちゃんと役に立てるのか、失敗しそうで怖い。傷を負うのが怖い。大切な人々を失いそうで怖い。情けないですよね」
自嘲するが、左近様は優しく笑ったままだ。
「それが人間として当たり前の感情です。みんなそんな不安を抱えながら戦ってるんですよ」
「左近様もですか?」
「もちろん。怖いのはみんな一緒ですよ」
「それならどうして」
半蔵さんの時だってそうだし、奇襲だって自ら出向いた。
怖いと思っていたら、なかなか出来ることじゃない。
「言ったでしょう?人は守りたいものがあれば強くなれるって。殿のことを、そしてあんたのことを考えるから勇気が出てくる」
繋がれた手に力が入る。
「だから俺は戦えるんです」
その微笑みを見て、心の中のもやもやがスーッと消えていく気がした。
「あの、話を聞いて下さりありがとうございました」
「もう大丈夫ですか?」
「本当はまだ不安です。でも左近様には負けられません。私にだって大切な人が、守りたい人がいますから」
「その意気です」
満足そうに頷き、左近様は立ち上がる。
「もう行くんですか?」
つい、言ってしまった。
「はい」
左近様は頷いて話を聞いてくれる。
「三成様や左近様を守りたいというのは本当です。でもやっぱり不安なんです」
「ええ」
「ちゃんと役に立てるのか、失敗しそうで怖い。傷を負うのが怖い。大切な人々を失いそうで怖い。情けないですよね」
自嘲するが、左近様は優しく笑ったままだ。
「それが人間として当たり前の感情です。みんなそんな不安を抱えながら戦ってるんですよ」
「左近様もですか?」
「もちろん。怖いのはみんな一緒ですよ」
「それならどうして」
半蔵さんの時だってそうだし、奇襲だって自ら出向いた。
怖いと思っていたら、なかなか出来ることじゃない。
「言ったでしょう?人は守りたいものがあれば強くなれるって。殿のことを、そしてあんたのことを考えるから勇気が出てくる」
繋がれた手に力が入る。
「だから俺は戦えるんです」
その微笑みを見て、心の中のもやもやがスーッと消えていく気がした。
「あの、話を聞いて下さりありがとうございました」
「もう大丈夫ですか?」
「本当はまだ不安です。でも左近様には負けられません。私にだって大切な人が、守りたい人がいますから」
「その意気です」
満足そうに頷き、左近様は立ち上がる。
「もう行くんですか?」
つい、言ってしまった。