情炎の焔~危険な戦国軍師~
打ち合わせの最中、私はぼんやりと夜空を見上げていた。


真っ黒な闇に星がラメのように瞬いている。


「左近様、今どうしているかなあ」


離れていると、つい考えてしまう。


うまくやってるかな。


会いたいな。


まるで左近様が一足先に大坂に行ってしまった時に戻ったみたいだ。


すっかり恋煩いになっていることを自覚し、思わず苦笑する。


でも、これが本心。


左近様に笑って会うためにもこの後の戦、頑張らなきゃ。


私は空を見すえる。


「左近様がうまくやれていますように」


流れ星は見当たらなかったけど、私はきらめく夜空にそう祈った。
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