情炎の焔~危険な戦国軍師~
そして8月1日。


打ち合わせが終わり、いよいよ作戦が実行される時が来た。


小早川軍が火のついた矢を櫓や二の丸に撃ち込む。


そのどさくさに紛れて、味方の甲賀の者が矢に密書をくくりつけ、城内に放った。


「成功するかなぁ…」


思わず祈るように呟くと、隣にいた平助さんが安心させるような笑顔で言った。


「大丈夫。きっと彼らは内応してくれる」


「そうですね」


今は信じるしかない。


戦況に変動があったのは日付が変わってからだった。
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