情炎の焔~危険な戦国軍師~
ボウッ!!


櫓や屋敷がいきなり火を噴いた。


火は真っ暗な闇をあかあかと染めている。


「甲賀衆、応じたか」


三成様のその言葉にほっとした。


戦況は動いた。


しかもこちらが有利。


今なら落とせる。


味方もそう思ったのか、わあっとなだれ込むように城に向かっていく。


私も駆け出した。


そして本丸の正面まで来て、登り始める。


「くっ…」


石垣を登るのはきつい。


刀を石と石の間に刺してつかまり、なんとか上がっていく。


しかし、ただでさえきついのに鎧が重い。


前もって着て慣れたはずなのだが、一体何十キロあるのだろうか。


しかも、敵も黙って登らせるわけにはいかない。


気付くと右隣の人が突き落とされている。


「お前達に城は渡さん!」


刀を握る私の手が敵兵に踏み付けられた。


「痛あっ…!」


手に意識が飛ぶようなとんでもない衝撃が走った。


ダメ。


落ちる…!
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