情炎の焔~危険な戦国軍師~
「友衣!」


鋭い声がした。


「っ!」


地面にたたき付けられるかと思ったが、誰かの腕の中に落ちた。


「大丈夫か?」


「あ、平助さん。すみません」


助けてくれた平助さんにお礼を言ってから体勢を立て直し、また登る。


ふと気配を感じ、脇見すると先程の敵兵が私の横を落下していく。


どうやら撃たれたらしい。


その敵兵は立ち上がり、味方の兵と格闘していた。


「よし」


行く先に邪魔者はいない。


味方と共に石垣をなんとか登り、城内へ入る。


すると私達の侵入を察知したのだろう、敵兵がざっと100人ドタドタとやって来た。


私は深呼吸し、太刀を構えた。


三成様のため。


左近様のため。


各務友衣、いざ参る。
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