情炎の焔~危険な戦国軍師~
その言葉がどういう意味であるかはわかっていた。


わかっていて左近様の部屋について行った。


「友衣さん」


褥の上から見上げた彼の目は優しい。


慈しむような目だ。


唇が重なる。


前にしたような優しいキスではない。


今夜は情熱的だ。


初めてのことに頭の芯がぼんやりする。


「もうあんたを離さない。今夜だけじゃなく、この先も」


髪が柔らかく撫でられた。


「私も。私も左近様とずっと一緒にいたいです」


求めるように手を伸ばし、左近様の肩を抱き寄せてうっとりと目をつむる。


しゅるり、と着物の帯がほどかれるのを感じながら、私はすべてを目の前の愛しい人に委ねた。


彼の指が動くたび、胸の奥にある情炎の焔が燃え上がる。


好き。


大好きです、左近様…。
< 123 / 463 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop