情炎の焔~危険な戦国軍師~
第18戦 ほのかな感情、強い愛
-サイド友衣-


それからまた数日間、準備などをしていて忙しかった。


今回は準備にやたら時間をかけている気がする。


なんたってこの後はあの関ヶ原の戦いが控えているんだものね。


「ふう」


夜になり、一通り仕事を終えて部屋で休もうかと思い、廊下を歩いていると、ある部屋の障子が半開きになっていた。


思わず覗き込むと左近様がぼんやりしている。


「左近様、どうしたんです?」


「ああ、友衣さん」


彼は私を見ると表情をほころばせた。


「お疲れですか?」


そう言いながら左近様の背後にまわり、肩をもむ。


現代にいた頃は親によくやらされていたので、わりと得意だ。


「気が利きますね」


顔をこちらに向けて優しく笑いかけてくれるのを見て、私の口元もほころぶ。


それから何分そうしていただろう。


やがて左近様が言った。


「もう大丈夫です。ありがとうございます」


その後、酌をしてくれと言われ、私は台所へ向かった。
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