情炎の焔~危険な戦国軍師~
こうして私は日中は侍女の仕事、夜は兵士達と一緒に訓練する日々が始まった。
日によっては逆で日中が訓練、夜が仕事ということもあったけど。
1ヶ月も経つ頃にはこんなハードな生活をしていたので、だいぶ力がついてきて、他の兵士となんとか互角にやり合えるようになってきた。
「やあ!」
日差しが降り注ぐ中、私は相手の手元から竹刀を薙ぎ払うように自分の竹刀で斬り上げた。
相手の竹刀が空中に舞う。
すかさず竹刀を相手の首に突き付けた。
「く、負けた」
練習相手の平助さんが悔しがる。
「友衣さん、いつも頑張ってますね」
声のした方を向くと左近様が微笑しながら立っていた。
「いえいえ」
そう言いながらも、ゲームをしていた頃からの憧れの人を前に私の胸はドキドキしている。
この世界に来た頃は「いくら似ているからってゲームとはやはり違う」と冷静だった。
だけど最近は心に余裕が出来てきたせいか、再び切ない想いが込み上げて来るようになったのだ。
「あんたの頑張ってる姿、好きですよ」
「え」
そんなことを目の前で言われると、彼氏いない歴19年の私には刺激が強すぎる。
「それくらいで恥ずかしがって。初心(うぶ)なんですね」
「う、うぶ!?」
余計に恥ずかしくなって私は混乱した。
相手はさらりと言って余裕の笑みさえ見せているけど、私は心臓が跳ね回って何か言うだけで精一杯だ。
「おい左近、あまりそいつをからかうな」
見ると縁側にはいつのまにか不機嫌そうな顔の三成様がいる。
「あ、見つかっちまいましたか」
左近様はいたずらっ子のように笑った。
「女口説いてないでお前も訓練しておけ」
「はいはい」
「おい、友衣」
三成様の視線が私に移る。
「はい」
「誑(たら)し込まれて浮かれてる暇があったら訓練に励むことだな」
「なっ」
顔から火が出たような気がした。
日によっては逆で日中が訓練、夜が仕事ということもあったけど。
1ヶ月も経つ頃にはこんなハードな生活をしていたので、だいぶ力がついてきて、他の兵士となんとか互角にやり合えるようになってきた。
「やあ!」
日差しが降り注ぐ中、私は相手の手元から竹刀を薙ぎ払うように自分の竹刀で斬り上げた。
相手の竹刀が空中に舞う。
すかさず竹刀を相手の首に突き付けた。
「く、負けた」
練習相手の平助さんが悔しがる。
「友衣さん、いつも頑張ってますね」
声のした方を向くと左近様が微笑しながら立っていた。
「いえいえ」
そう言いながらも、ゲームをしていた頃からの憧れの人を前に私の胸はドキドキしている。
この世界に来た頃は「いくら似ているからってゲームとはやはり違う」と冷静だった。
だけど最近は心に余裕が出来てきたせいか、再び切ない想いが込み上げて来るようになったのだ。
「あんたの頑張ってる姿、好きですよ」
「え」
そんなことを目の前で言われると、彼氏いない歴19年の私には刺激が強すぎる。
「それくらいで恥ずかしがって。初心(うぶ)なんですね」
「う、うぶ!?」
余計に恥ずかしくなって私は混乱した。
相手はさらりと言って余裕の笑みさえ見せているけど、私は心臓が跳ね回って何か言うだけで精一杯だ。
「おい左近、あまりそいつをからかうな」
見ると縁側にはいつのまにか不機嫌そうな顔の三成様がいる。
「あ、見つかっちまいましたか」
左近様はいたずらっ子のように笑った。
「女口説いてないでお前も訓練しておけ」
「はいはい」
「おい、友衣」
三成様の視線が私に移る。
「はい」
「誑(たら)し込まれて浮かれてる暇があったら訓練に励むことだな」
「なっ」
顔から火が出たような気がした。