情炎の焔~危険な戦国軍師~
「えっ?」


疑問符が頭の中をぐるぐるするままに、私はその場に座る。


「オレをおいて行くな」


「お水を取りに行くだけですよ」


しかし、三成様は袂を離さない。


スタイリッシュな印象の顔が薄い赤に染まり、いつものクールな彼よりも人間味を感じられた。


そんなことを考えていると、肩に三成様の手が触れる。


「ちょっと三成様!」


私が鋭く叫んでも、彼の耳には届いていないようだった。


(え!?)


そのまま抱き寄せられる。


離れようと体をよじっても、その細い体からは想像も出来ないくらい強い力で離れられない。


「あの、私は華さんではありませんよ」


「友衣だろう?」


「そうです、友衣です。だから早く離し…」


その続きは出なかった。


「わっ?!」


いつのまにか肩に三成様の顔があり、私は思わず身を固くした。
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