情炎の焔~危険な戦国軍師~
「申し上げます。吉川隊、長曽我部隊、安国寺隊、長束隊が南宮山に着陣しました」
その伝令の言葉を聞いてふと思い出す。
確か飛燕の如く舞えの関ヶ原(西軍)のシナリオで、吉川何とかって人を撃破したような…。
私は早速三成様に話しかける。
「三成様。あの吉川って方ですが」
「ああ、広家殿か」
私の記憶に間違いがなければあの人は西軍を統率している毛利家の人だ。
以前の吉継様と三成様の会話に
「だが、あそこは内部で西軍か東軍かで対立が起きているのではなかったか」
「しかし、当主の輝元殿はオレ達に味方してくれる安国寺恵瓊(えけい)殿の意見を聞き入れたらしい。ならば反対派の者もそれに従うしかあるまい」
というのがあった。
そう。
その東軍派というのが吉川広家殿だったはずだ。
あの歴史小説でもそうなっていた気がする。
「そうそう、そうです。吉川広家殿は裏…っ」
まただ。
また裏切ることを教えようとすると声が出なくなる。
むなしく口をぱくぱくさせる私を、三成様や左近様は不思議そうに見ていた。
「どうして…」
私はただ、悲しい運命を変えたいだけなのに。
その伝令の言葉を聞いてふと思い出す。
確か飛燕の如く舞えの関ヶ原(西軍)のシナリオで、吉川何とかって人を撃破したような…。
私は早速三成様に話しかける。
「三成様。あの吉川って方ですが」
「ああ、広家殿か」
私の記憶に間違いがなければあの人は西軍を統率している毛利家の人だ。
以前の吉継様と三成様の会話に
「だが、あそこは内部で西軍か東軍かで対立が起きているのではなかったか」
「しかし、当主の輝元殿はオレ達に味方してくれる安国寺恵瓊(えけい)殿の意見を聞き入れたらしい。ならば反対派の者もそれに従うしかあるまい」
というのがあった。
そう。
その東軍派というのが吉川広家殿だったはずだ。
あの歴史小説でもそうなっていた気がする。
「そうそう、そうです。吉川広家殿は裏…っ」
まただ。
また裏切ることを教えようとすると声が出なくなる。
むなしく口をぱくぱくさせる私を、三成様や左近様は不思議そうに見ていた。
「どうして…」
私はただ、悲しい運命を変えたいだけなのに。