情炎の焔~危険な戦国軍師~
「ところで、ずいぶんと味方が集まったな」


三成様が言った。


「兵はざっと4万、といったところでしょうか」


左近様も言う。


「では家康殿が来ていない今、勝負を仕掛ければ勝てるかもしれませんよ」


裏切りを訴えることに失敗した私は、史実と合戦のタイミングをずらそうと思い、言う。


ずらしたからって勝てるかはわからないが、敵の主力部隊がいない今なら、と思ったのだ。


「うむ」


また却下されたらどうしようと思っていたが、三成様は少し考えてから言った。


「では、軍議を開こう」


やった!


ついに重い腰を上げてくれた。


そんな思いで私と左近様は顔を見合わせた。


「では、広家殿と話をしてくる」


「あ、あの、あの方はやめた方が」


私は慌てて立ち上がる。


「なぜだ」


「裏…、あ、なんか何考えてるんだかわからないような方でしたから」


もっとマシな理由を考えられなかった私のバカ!


っていうか会ったことないんだけど。


「失敬なことを言うな。まあよい。ではその甥である毛利秀元殿に相談して来る」


三成様はそう言ってお供を連れて出ていった。
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