情炎の焔~危険な戦国軍師~
第3戦 想い隠して
-サイド左近-
「誑しなんて…左近様なんて大嫌い!」
褥(しとね)に横たわってもまだ、友衣さんに言われた言葉が脳裏に焼き付いている。
「左近様…今宵は一段と激しいのですね」
俺の腕の中で葵が媚びるような声を出した。
「忘れたいんだ。全部」
「あなたがそんなに悲しい顔をなさるなんて珍しい」
葵の、暗闇にぼんやり浮かぶ白い手が俺の頬に触れる。
「好きな女子(おなご)でも出来ましたか?」
「違う」
「あなたは嘘が下手なのですね。恋する男の顔をしていらっしゃいますよ」
「もう何も言うな」
唇を唇で塞いだ。
俺は友衣さんをからかっていただけだ。
だからもう思い出させないでくれ。
この胸に燃える情炎は…彼女へのものじゃない。
「ああっ、左近様ぁっ」
目の前の女の顔がぼやけて葵にも彼女にも見えた。
「誑しなんて…左近様なんて大嫌い!」
褥(しとね)に横たわってもまだ、友衣さんに言われた言葉が脳裏に焼き付いている。
「左近様…今宵は一段と激しいのですね」
俺の腕の中で葵が媚びるような声を出した。
「忘れたいんだ。全部」
「あなたがそんなに悲しい顔をなさるなんて珍しい」
葵の、暗闇にぼんやり浮かぶ白い手が俺の頬に触れる。
「好きな女子(おなご)でも出来ましたか?」
「違う」
「あなたは嘘が下手なのですね。恋する男の顔をしていらっしゃいますよ」
「もう何も言うな」
唇を唇で塞いだ。
俺は友衣さんをからかっていただけだ。
だからもう思い出させないでくれ。
この胸に燃える情炎は…彼女へのものじゃない。
「ああっ、左近様ぁっ」
目の前の女の顔がぼやけて葵にも彼女にも見えた。