情炎の焔~危険な戦国軍師~
第28戦 雨夜の逢瀬
翌朝。
目を覚ますと外は静かになっていた。
隣を見ると、左近様は小さく寝息を立てている。
いつも隙のない彼の、野性的なのに無防備なその寝顔に、私はしばし見とれていた。
それからそっと布団から抜け出し、廊下に出、中庭を眺める。
まだ雨はやんだばかりらしく、木の葉からは雫がぽたぽたと滴り落ち、朝日を浴びて水晶のようにキラキラ輝いていた。
すう、と呼吸をすると、すがすがしい空気で肺が満たされる。
「今日も頑張ろう」
そう呟いて部屋に戻ると、左近様はまだ眠りから覚めていなかった。
起こすのもはばかられて、私はただ自分が寝ていた場所に座り込んでいた。
「あれっ」
よくよく左近様の顔を見ると目の下にうっすらクマが出来ている。
もしかして昨日、気を使わせてしまったかな。
だとしたら申し訳ないな。
そんなことを考えて見ていると、左近様がまるで鳥がさえずるように目を開いた。
「わっ」
目を覚ますと外は静かになっていた。
隣を見ると、左近様は小さく寝息を立てている。
いつも隙のない彼の、野性的なのに無防備なその寝顔に、私はしばし見とれていた。
それからそっと布団から抜け出し、廊下に出、中庭を眺める。
まだ雨はやんだばかりらしく、木の葉からは雫がぽたぽたと滴り落ち、朝日を浴びて水晶のようにキラキラ輝いていた。
すう、と呼吸をすると、すがすがしい空気で肺が満たされる。
「今日も頑張ろう」
そう呟いて部屋に戻ると、左近様はまだ眠りから覚めていなかった。
起こすのもはばかられて、私はただ自分が寝ていた場所に座り込んでいた。
「あれっ」
よくよく左近様の顔を見ると目の下にうっすらクマが出来ている。
もしかして昨日、気を使わせてしまったかな。
だとしたら申し訳ないな。
そんなことを考えて見ていると、左近様がまるで鳥がさえずるように目を開いた。
「わっ」