情炎の焔~危険な戦国軍師~
「うん。本日は晴天なり。異常なし」
朝餉の後、私は櫓の上で1人呟く。
その後、早速三成様に報告に行った。
「そうか。変わりはないか」
三成様は文机から顔を上げずに私の報告を聞いていた。
一体何を読んでいるのだろう。
背後から忍び寄って覗き込む。
どうやら手紙のようだ。
「誰かと恋文を送り合ってるんですか?」
冗談でそう言ったら
「バカ。そんな浮ついたことをしていられるか。いくら膠着状態と言えど、戦中の朝に」
ギロリと睨まれてしまった。
「すみません…」
「報告が終わったのなら邪魔をするな。左近といちゃついてろ」
「もう!朝っぱらからそんなこと言うんだから」
まったくどの人もこの人も。
「っていうかそんな浮ついたことが出来るわけないじゃないですか。いくら膠着状態と言えど、戦中の朝に」
三成様の言葉を堂々とパクって抗議する。
「なんだ。オレの真似をするのか」
「はい。真似しちゃいました」
正直にそう言うと、三成様は深いため息をついた。
「左近の苦労が思いやられるな」
「えっ。左近様、私について何か言ってたんですか?」
「いいや。ただそう思っただけだ。毎日毎日こんな調子の奴と話していたら、さぞ疲れるだろうと思ってな」
相変わらず口の悪い御仁だ。
「ひどいなあ」
「まあ、面白くて良いかもしれないがな」
「え、面白いと思って下さっているんですか?」
目を輝かせながら三成様の顔を覗き込んでみる。
「言葉のあやだ」
彼はそう言ってそそくさと顔をそむけてしまった。
「それは残念です。ちょっと期待したのに」
「まったく口の減らない女だな。さっさとお前の大好きな左近の優しさに包まれて泣いて来い」
「ふふふふっ」
いつもクールな三成様が真顔で変なことを言うので、思わず笑いがこぼれてしまった。
「はい。わかりました」
「ふっ、本当にそうするつもりか」
三成様も吹き出す。
「さあ。未定です。では失礼しました」
私は丁寧に頭を下げてから三成様の部屋を辞した。
朝餉の後、私は櫓の上で1人呟く。
その後、早速三成様に報告に行った。
「そうか。変わりはないか」
三成様は文机から顔を上げずに私の報告を聞いていた。
一体何を読んでいるのだろう。
背後から忍び寄って覗き込む。
どうやら手紙のようだ。
「誰かと恋文を送り合ってるんですか?」
冗談でそう言ったら
「バカ。そんな浮ついたことをしていられるか。いくら膠着状態と言えど、戦中の朝に」
ギロリと睨まれてしまった。
「すみません…」
「報告が終わったのなら邪魔をするな。左近といちゃついてろ」
「もう!朝っぱらからそんなこと言うんだから」
まったくどの人もこの人も。
「っていうかそんな浮ついたことが出来るわけないじゃないですか。いくら膠着状態と言えど、戦中の朝に」
三成様の言葉を堂々とパクって抗議する。
「なんだ。オレの真似をするのか」
「はい。真似しちゃいました」
正直にそう言うと、三成様は深いため息をついた。
「左近の苦労が思いやられるな」
「えっ。左近様、私について何か言ってたんですか?」
「いいや。ただそう思っただけだ。毎日毎日こんな調子の奴と話していたら、さぞ疲れるだろうと思ってな」
相変わらず口の悪い御仁だ。
「ひどいなあ」
「まあ、面白くて良いかもしれないがな」
「え、面白いと思って下さっているんですか?」
目を輝かせながら三成様の顔を覗き込んでみる。
「言葉のあやだ」
彼はそう言ってそそくさと顔をそむけてしまった。
「それは残念です。ちょっと期待したのに」
「まったく口の減らない女だな。さっさとお前の大好きな左近の優しさに包まれて泣いて来い」
「ふふふふっ」
いつもクールな三成様が真顔で変なことを言うので、思わず笑いがこぼれてしまった。
「はい。わかりました」
「ふっ、本当にそうするつもりか」
三成様も吹き出す。
「さあ。未定です。では失礼しました」
私は丁寧に頭を下げてから三成様の部屋を辞した。