情炎の焔~危険な戦国軍師~
その後は日が暮れるまで三成様に言われた通り、私は左近様と人目もはばからずにいちゃいちゃし、優しさに抱かれて泣いていた…わけではなく、中庭で平助さんと真面目に訓練をしていた。


「うりゃあ!」


昨日と同じく平助さんが雄叫びを上げる。


「私の意志は誰にも止められない!」


私は昨日の左近様の真似で、かっこいいセリフを言いながら竹刀を振るった。


なんだか廊下を歩いていく人達の視線が痛いけど、まあいいや。


「はー、今日は頑張ったなあ」


夜、寒いにも関わらず汗だくになった私は自室に戻ってキャリーバッグの中から洋服を取り出して着替えた。


「ふう、やっぱりこっちの方が楽だな」


シャツの上にいつもの着物を羽織り、ショートパンツ姿でのびのびと畳の上に寝転がる。


侍女用の着物を普通に着るより動きやすいし、何より楽だ。


まあちょっと足は寒いのだが、久々に洋服を着て心も体も開放的になる。


その時だった。


「失礼します」


障子越しに声がした。
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