情炎の焔~危険な戦国軍師~
さっきの、フイと私から視線を逸らした左近様の姿がちらちらと脳裏をかすめる。
私は平助さんをつかまえて手合わせの相手を頼んだ。
「やあ!」
「とう!」
「はあ!」
あっという間に今朝負けた分を取り返す。
左近様のことを思い出さないように竹刀を振るったら出来た。
「お前、今度はずいぶんみなぎってるな。一体どうした?」
「嫌なことを忘れようとしてひたすら竹刀を振るいました」
「嫌なこと?」
「あ、大したことじゃないんです。手合わせありがとうございました」
私はその足で厩(うまや)に行く。
「疾風」
三成様に好きに使っていいと言われた馬の名前を呼ぶ。
私は疾風に跨がり、手綱を引いた。
ここに来たばかりの時、乗馬を教えてもらっておいて良かったとつくづく思う。
「行こう」
鞭を打つと疾風はその名の通り、風のように駆け出した。
私は平助さんをつかまえて手合わせの相手を頼んだ。
「やあ!」
「とう!」
「はあ!」
あっという間に今朝負けた分を取り返す。
左近様のことを思い出さないように竹刀を振るったら出来た。
「お前、今度はずいぶんみなぎってるな。一体どうした?」
「嫌なことを忘れようとしてひたすら竹刀を振るいました」
「嫌なこと?」
「あ、大したことじゃないんです。手合わせありがとうございました」
私はその足で厩(うまや)に行く。
「疾風」
三成様に好きに使っていいと言われた馬の名前を呼ぶ。
私は疾風に跨がり、手綱を引いた。
ここに来たばかりの時、乗馬を教えてもらっておいて良かったとつくづく思う。
「行こう」
鞭を打つと疾風はその名の通り、風のように駆け出した。