情炎の焔~危険な戦国軍師~
「戦いは避けられない、か」
夜、仕事も修行も終えた私は布団の上に転がりながら1人で呟く。
左近様には生きて帰ろうと言った。
だけど三成様には戦を回避するように言った。
「私は一体どうしたいんだろう」
多分両方なんだ。
出来ることなら戦を避けたい。
だけれども、ここまで来た以上はやるしかないんだと心のどこかで思っている。
その2つの思いの間でぐらぐらと頼りなく揺れ動いているんだな。
いや、私が弱気ではダメ。
この世界で皆の運命を知っているのは私だけなんだから。
そんなことを考え、私は左近様からもらった護身用の懐刀を鞘から抜いた。
それはギラリと鋭い光を放っている。
戦に勝つ。
そのためには、否応なしに敵味方関係なく無数の人の命を踏みにじる必要がある。
死んでいく人達にも私のように大切な人、守りたい人がいるはずだ。
だから戦場に立つ以上は覚悟を決めなければならない。
私と重さの変わらない命を奪わなければならぬということを。
「ふう」
ため息をついて懐刀を鞘にしまう。
そして鞘に刻まれた島家の家紋を、夜が更けるまでぼんやりと眺めていた。
夜、仕事も修行も終えた私は布団の上に転がりながら1人で呟く。
左近様には生きて帰ろうと言った。
だけど三成様には戦を回避するように言った。
「私は一体どうしたいんだろう」
多分両方なんだ。
出来ることなら戦を避けたい。
だけれども、ここまで来た以上はやるしかないんだと心のどこかで思っている。
その2つの思いの間でぐらぐらと頼りなく揺れ動いているんだな。
いや、私が弱気ではダメ。
この世界で皆の運命を知っているのは私だけなんだから。
そんなことを考え、私は左近様からもらった護身用の懐刀を鞘から抜いた。
それはギラリと鋭い光を放っている。
戦に勝つ。
そのためには、否応なしに敵味方関係なく無数の人の命を踏みにじる必要がある。
死んでいく人達にも私のように大切な人、守りたい人がいるはずだ。
だから戦場に立つ以上は覚悟を決めなければならない。
私と重さの変わらない命を奪わなければならぬということを。
「ふう」
ため息をついて懐刀を鞘にしまう。
そして鞘に刻まれた島家の家紋を、夜が更けるまでぼんやりと眺めていた。