情炎の焔~危険な戦国軍師~
杭瀬(くぜ)川という川を渡り、敵の見える場所まで堂々と進む。


すると敵が銃弾を撃ち込んで来た。


「銃撃戦か」


こちらも銃で応じ、しばらく辺りは破裂音に包まれていたが、俺達は再び川を渡って戻る。


すると相手も柵を開け、川を渡って追いかけて来た。


そして敵の後方の部隊が上陸する寸前。


「今だ、かかれ!」


俺の声と同時に、あらかじめ潜ませておいた伏兵達が四方から飛び出し、敵に襲いかかった。


そこに味方の鉄砲隊が弾を撃ち込み、騎馬隊が敵の退路を塞ぐ。


敵はたちまち窮地に陥った。


これを見た敵の部隊が、救援しようとして陣地から続々と出て来る。


しかし、待ち構えていた宇喜多隊によってやはり窮地に陥った。


戦況はこちらの方がはるかに有利だが、俺はあえて全軍に退却を命じる。


敵もつられて追ってくるが、伏兵達に襲われて散り散りになり、やがてほうほうのていで引き上げていった。


「よし」


これで味方の士気も少しは取り戻せただろう。


満足しながら俺は大垣城に戻った。


すると俺が戻ってきたことを聞きつけた友衣さんがパタパタとやってきた。
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