情炎の焔~危険な戦国軍師~
「出ていったのだとしたら心当たりがある」
馬を走らせながら殿は言う。
「どこです?」
「オレ達が初めて会った場所だ。あの日、あいつはあそこに座り込んでいた」
「じゃあまさか元の世界に帰ろうとしてるんじゃ…」
「それはわからん」
「ならばその場所にいるとも限りませんね」
「ああ。だが探さないよりましだ」
殿の横顔はいつにも増して険しい。
まさか一侍女兼兵士を自らこんなに必死に探すとは。
疾風という馬を特別にくれてやったことといい、殿は友衣さんをよほど気に入ってるのだろう。
そしてこんなにも彼女を気にかけている自分も同類だと思った。
「ここだ」
半刻ばかり走って馬を下りたのは草と木がただ生えているだけの寂しい場所だった。
「疾風だ」
疾風は近くの木に繋がれていた。
見るからに焦った様子で殿は俺を置いてずんずん先に行く。
「友衣!」
殿がふいに駆け出していって叫ぶ。
「三成様…?」
弱々しい彼女の声が並び立つ木立の間から聞こえた。
「お前…服部半蔵か?!」
その言葉に耳を疑った。
馬を走らせながら殿は言う。
「どこです?」
「オレ達が初めて会った場所だ。あの日、あいつはあそこに座り込んでいた」
「じゃあまさか元の世界に帰ろうとしてるんじゃ…」
「それはわからん」
「ならばその場所にいるとも限りませんね」
「ああ。だが探さないよりましだ」
殿の横顔はいつにも増して険しい。
まさか一侍女兼兵士を自らこんなに必死に探すとは。
疾風という馬を特別にくれてやったことといい、殿は友衣さんをよほど気に入ってるのだろう。
そしてこんなにも彼女を気にかけている自分も同類だと思った。
「ここだ」
半刻ばかり走って馬を下りたのは草と木がただ生えているだけの寂しい場所だった。
「疾風だ」
疾風は近くの木に繋がれていた。
見るからに焦った様子で殿は俺を置いてずんずん先に行く。
「友衣!」
殿がふいに駆け出していって叫ぶ。
「三成様…?」
弱々しい彼女の声が並び立つ木立の間から聞こえた。
「お前…服部半蔵か?!」
その言葉に耳を疑った。