情炎の焔~危険な戦国軍師~
-サイド友衣-
左近様を見つけ、その周囲にいる敵兵を刀で薙ぎ払う。
「あんた、ずいぶん強くなりましたね」
敵を倒しながら、左近様がフッと笑った。
「はい。守りたい人がいますから」
「俺もです」
視線が合った。
そう、三成様のため、そして愛するあなたのために私は戦う。
歴史なんて、この刀で変えてみせる!
「殿に、そして友衣さんには指1本触れさせない。皆の者、かかれーっ!!」
そう言って雄叫びを上げながら敵を次々に斬る彼の姿は、まるで怒り狂う鬼神が降臨したかのようだった。
味方の、しかも恋仲である私でさえ鳥肌が立ち、畏怖してしまうほどに激しく、凄絶だった。
(これが後々、黒田長政殿達が何年もうなされたという左近様の関ヶ原での戦いぶり…)
ー「人は守りたいものがあれば強くなれるんですよ」ー
山桜を見た時に聞いたあの言葉は本当なのだと思った。
「く、なんだこの凄まじい覇気は」
「三成様のため、左近様のためにあなたを斬る!」
左近様の迫力にうろたえる敵にすかさず鎧の隙間を狙って刀を振っていく。
それからどれくらい経っただろう。
周囲の敵をだいぶ倒したところで左近様がこちらを見て言う。
「友衣さんはもう逃げて下さい」
「左近様は?」
「俺は家康の陣に突撃します」
「わかりました。それなら私はあの世までお供します」
「友衣さん…」
私達は共に自ら敵に向かって走り出す。
「たあああ!」
狂ったように遮二無二、太刀を振り回した。
途中、敵に腕や足を斬られたが、ひるんではいられない。
これしきの傷、私の意志の前には無意味だ。
まだまだ行ける!
しかし…。
ズドォォン!!
(えっ…!?)
左近様を見つけ、その周囲にいる敵兵を刀で薙ぎ払う。
「あんた、ずいぶん強くなりましたね」
敵を倒しながら、左近様がフッと笑った。
「はい。守りたい人がいますから」
「俺もです」
視線が合った。
そう、三成様のため、そして愛するあなたのために私は戦う。
歴史なんて、この刀で変えてみせる!
「殿に、そして友衣さんには指1本触れさせない。皆の者、かかれーっ!!」
そう言って雄叫びを上げながら敵を次々に斬る彼の姿は、まるで怒り狂う鬼神が降臨したかのようだった。
味方の、しかも恋仲である私でさえ鳥肌が立ち、畏怖してしまうほどに激しく、凄絶だった。
(これが後々、黒田長政殿達が何年もうなされたという左近様の関ヶ原での戦いぶり…)
ー「人は守りたいものがあれば強くなれるんですよ」ー
山桜を見た時に聞いたあの言葉は本当なのだと思った。
「く、なんだこの凄まじい覇気は」
「三成様のため、左近様のためにあなたを斬る!」
左近様の迫力にうろたえる敵にすかさず鎧の隙間を狙って刀を振っていく。
それからどれくらい経っただろう。
周囲の敵をだいぶ倒したところで左近様がこちらを見て言う。
「友衣さんはもう逃げて下さい」
「左近様は?」
「俺は家康の陣に突撃します」
「わかりました。それなら私はあの世までお供します」
「友衣さん…」
私達は共に自ら敵に向かって走り出す。
「たあああ!」
狂ったように遮二無二、太刀を振り回した。
途中、敵に腕や足を斬られたが、ひるんではいられない。
これしきの傷、私の意志の前には無意味だ。
まだまだ行ける!
しかし…。
ズドォォン!!
(えっ…!?)