情炎の焔~危険な戦国軍師~
そしてその後、西軍は瓦解した。


西軍の小早川秀秋を始め、朽木元綱、赤座直保、小川祐忠、脇坂安治といった大名達が続々と東軍に寝返ったのである。


そして小早川隊を一度は退けた吉継も、次々に寝返る者達の勢いに勝てなかった。


「伝令!吉継様!敵の勢いが激しく我が軍は壊滅です!」


「そうか。この病体にもついに散るべき時が来たか。…三成、お前は…生きよ」


そしてついに覚悟を決め、自刃した。


戦況が最悪になった頃、三成は大いなる悔しさと深い悲しみを抱えながら、友衣に言われた通り、逃げることにした。


「オレのことはいいから早く行け。オレと共に来たら、お前達まで捕まるだろう」


最後までついて行こうとした家臣達に厳しくそう言い、三成は深い草むらの中に姿を消した。
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