情炎の焔~危険な戦国軍師~
「三成様っ」
私はただ北方に見える山を目指して馬を走らせた。
と言っても土地勘はないに等しい。
が、三成様が追われている身である以上、目立つ道は使わないだろう。
きっと険しい山道をこっそりと行くはず。
そして彼は佐和山城に向かうだろうと予想していた。
もともと三成様の城だし、あそこで家康殿と再び刃を交える準備をすると考えられるからだ。
「三成様」
呼びかけながら人気のない道を走る。
しかし、いくら呼んでも見回しても人影すらない。
「うう…」
気付くと、すっきりした青色だったはずの空はいつのまにか茜色に染まっていた。
振り向くと、私達がいたお寺のある山が人差し指の先くらいの大きさになっている。
ずいぶん遠くまで来てしまったな。
「お腹すいた…」
持っているのはあらかじめくんでおいた川の水だけだ。
馬から降り、手綱を持って薄暗い山道をとぼとぼと歩く。
三成様はもっと先に行ってしまったのかな。
むなしさを感じたら余計に空腹感がひどくなった。
見ると、遠くに庵のようなものが見える。
申し訳ないけど、とりあえずあそこの住人に食べ物をもらえたらもらおうかな。
私は馬を連れて山道をさらに歩いた。
関ヶ原の戦いで負った傷が今さらになってギリギリと痛むが、今は我慢しなきゃ。
疲労と痛みに耐えながら、私は歩をひたすらに進めるのであった。
私はただ北方に見える山を目指して馬を走らせた。
と言っても土地勘はないに等しい。
が、三成様が追われている身である以上、目立つ道は使わないだろう。
きっと険しい山道をこっそりと行くはず。
そして彼は佐和山城に向かうだろうと予想していた。
もともと三成様の城だし、あそこで家康殿と再び刃を交える準備をすると考えられるからだ。
「三成様」
呼びかけながら人気のない道を走る。
しかし、いくら呼んでも見回しても人影すらない。
「うう…」
気付くと、すっきりした青色だったはずの空はいつのまにか茜色に染まっていた。
振り向くと、私達がいたお寺のある山が人差し指の先くらいの大きさになっている。
ずいぶん遠くまで来てしまったな。
「お腹すいた…」
持っているのはあらかじめくんでおいた川の水だけだ。
馬から降り、手綱を持って薄暗い山道をとぼとぼと歩く。
三成様はもっと先に行ってしまったのかな。
むなしさを感じたら余計に空腹感がひどくなった。
見ると、遠くに庵のようなものが見える。
申し訳ないけど、とりあえずあそこの住人に食べ物をもらえたらもらおうかな。
私は馬を連れて山道をさらに歩いた。
関ヶ原の戦いで負った傷が今さらになってギリギリと痛むが、今は我慢しなきゃ。
疲労と痛みに耐えながら、私は歩をひたすらに進めるのであった。