情炎の焔~危険な戦国軍師~
-サイド友衣-


「はあ、はあ、もうすぐ佐和山城だ」


叫び疲れた頃、深い木立の向こうになんとなく懐かしい風景が見えてきた。


三成様はもう到着しているのだろうか。


「さあ、あと一頑張りだよ」


法春さんから借りた馬に話しかけながら山道を進む。


しばらくそうしていたが、馬が疲れるだろうと思い、私は降りて手綱を引っ張りながらてくてくと歩いた。


約1ヶ月ぶりの佐和山城。


逸(はや)る気持ちが抑えられず、私は視界が開けた場所まで一気に走った。


しかし直後、その場で立ち尽くしてしまった。


「え?!」
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