情炎の焔~危険な戦国軍師~
第38戦 優しき愛、不器用な友情の果てに
お寺の近くまで来ると、左近様が複雑な表情で縁側に座っていた。
「懐かしいわ。左近…」
女性は目を細めた。
「会って行かれますか?」
「いえ、いいわ。それじゃ私はここで」
「あの、あなたは?」
私が慌てて聞くと、彼女はフッと笑って言った。
「ただのしがない歴戦の女武者よ」
「あ、あの、ありがとうございました」
女性はくるりと背を向け、木立の中に姿を消した。
それを見届けた私は馬を連れてお寺に一歩一歩近付いていく。
すると左近様が目ざとく見つけて叫んだ。
「友衣さん!」
「懐かしいわ。左近…」
女性は目を細めた。
「会って行かれますか?」
「いえ、いいわ。それじゃ私はここで」
「あの、あなたは?」
私が慌てて聞くと、彼女はフッと笑って言った。
「ただのしがない歴戦の女武者よ」
「あ、あの、ありがとうございました」
女性はくるりと背を向け、木立の中に姿を消した。
それを見届けた私は馬を連れてお寺に一歩一歩近付いていく。
すると左近様が目ざとく見つけて叫んだ。
「友衣さん!」