情炎の焔~危険な戦国軍師~
-サイド左近-


慌ただしく友衣さんと小助が出ていった。


一体どうしたというのだろう。


何の用事があるのだろう。


不思議に思いながら、俺は寝床から外を眺めていた。


木々は鮮やかな紅や黄色の葉をたくさん付けている。


その自然な色に心が安らぐ。


その時だった。


ザアッ!


「!?」


いきなり風が吹いたと思うと、色とりどりの葉が空を埋めつくさんばかりに一斉に宙に舞った。


そんなバカな。


急に嫌な予感に襲われる。


さらに妙な焦燥感にも。


俺は思わず呟いていた。


「殿…っ!?」
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