情炎の焔~危険な戦国軍師~
「えっ…」


華さんの表情が凍りつく。


私はつらくなりながらもなんとか続けた。


「六条河原で。私、駆け付けたのに何も出来なくて」


思い出す度、泣きたくなる。


「友衣さん」


いたわるように左近様に肩を叩かれて、私は涙をぐっとこらえ、華さんに聞いた。


「そういえば、私達に話したいことがあるんですよね?何の話ですか?」


「私の正体を明かしておきたいのです」


「華さんの正体?」


「…!」


私が言うと、左近様は警戒するような顔になる。


華さんはゆっくりと話し始めた。


「はい。ずっと黙っていたこと、正直に言います。実は私、島様を…」
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