情炎の焔~危険な戦国軍師~
「もう、行くんですね」


左近様は名残惜しそうに上半身だけになった私を見る。


「そう、みたいです」


自分から発せられる光の粒が金色で、眩しくて、綺麗で、切ない。


「友衣さん。俺はこんなに深くあんたを愛せて良かったと思ってます」


「私もです」


「あんたに出会えて、良かった」


そのふわりと咲く優しい微笑みはもっと切ない。


「私だって。左近様に巡り会えて」


そこで深呼吸し、目の前の彼の瞳をまっすぐに見つめて言った。


「幸せでした」


その瞬間、眼前が真っ白に光り、私は意識を失った。


遥か遠くで何度も私の名前を呼ぶ声が聞こえていた。
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