情炎の焔~危険な戦国軍師~
「まあ、4人ともイケメンだしねえ。友衣が毎回使いたがるのも無理ないわ」


架恋ちゃんの言葉に私はつい口をすべらせる。


「本物はもっとカッコイイよ」


「本物?何言ってるの。タイムスリップしたんじゃあるまいし」


「あはは、冗談だよ」


笑って繕う間も、400年以上前の日本にタイムスリップしていた日々を思い出す。


そこで私は仲間の大切さ、命の重さ、そして愛し愛される喜びを知った。


「友衣」


三成様の凛々しい声も。


「友衣さん」


左近様の、私を呼ぶ時の微笑も。


すべてが懐かしい。


会いたい。


私はこの2012年に生きる人。


友達も家族もいる。


だけど、望んでしまう。


1600年に生きるあの笑顔に会いたい。


もう一度抱きしめたい。


時間が経てば色褪(あ)せていくはずなのに、恋慕の想いはどんどん募っていく。
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