情炎の焔~危険な戦国軍師~
「う…」
気付くと、私はうっそうとした雑木林の中にいた。
今は夏らしく、辺りは蝉の鳴き声に包まれている。
それにしてもここ、なんだか見覚えがある。
もしかして。
私は夢中で駆け出す。
タイムスリップに成功したことを確信しながら。
5分ほど同じような景色の中を走っていると、小川のほとりに見覚えのある人が佇んでいた。
「法春さん!」
「友衣殿?!」
法春さんは以前、タイムスリップした時に関ヶ原で倒れた私と左近様を助けてくれたお坊さんだ。
「生きておられましたか」
感慨深げに言ってくれるので、嬉しくなる。
「はい」
「それは何よりです。14年もお帰りにならないので心配していたんですよ」
「14年!?じゃあ今は慶長19年ですか?」
「はい」
驚いた。
最初にタイムスリップした時は慶長5年。
その1年後くらいに私は現代へ戻った。
そして1ヶ月経った今、約14年の年月が流れているなんて。
「友衣殿」
ふいに法春さんが呼ぶ。
「はい」
「あなたがいなくなって左近殿はずいぶんと悲しんでおられましたよ」
「あ。左近様は今?」
「こちらへ」
法春さんについて行くと、以前お世話になったお寺が見えてきた。
「左近様は今もここにいるんですか?」
「ええ。何かと私を手伝ってくれていまして」
とくん、と胸が高鳴る。
「左近殿。ただいま戻りました」
中に入って法春さんが声をかける。
「法春さん。お帰りなさ…」
私と奥から出てきた左近様の目が合った。
気付くと、私はうっそうとした雑木林の中にいた。
今は夏らしく、辺りは蝉の鳴き声に包まれている。
それにしてもここ、なんだか見覚えがある。
もしかして。
私は夢中で駆け出す。
タイムスリップに成功したことを確信しながら。
5分ほど同じような景色の中を走っていると、小川のほとりに見覚えのある人が佇んでいた。
「法春さん!」
「友衣殿?!」
法春さんは以前、タイムスリップした時に関ヶ原で倒れた私と左近様を助けてくれたお坊さんだ。
「生きておられましたか」
感慨深げに言ってくれるので、嬉しくなる。
「はい」
「それは何よりです。14年もお帰りにならないので心配していたんですよ」
「14年!?じゃあ今は慶長19年ですか?」
「はい」
驚いた。
最初にタイムスリップした時は慶長5年。
その1年後くらいに私は現代へ戻った。
そして1ヶ月経った今、約14年の年月が流れているなんて。
「友衣殿」
ふいに法春さんが呼ぶ。
「はい」
「あなたがいなくなって左近殿はずいぶんと悲しんでおられましたよ」
「あ。左近様は今?」
「こちらへ」
法春さんについて行くと、以前お世話になったお寺が見えてきた。
「左近様は今もここにいるんですか?」
「ええ。何かと私を手伝ってくれていまして」
とくん、と胸が高鳴る。
「左近殿。ただいま戻りました」
中に入って法春さんが声をかける。
「法春さん。お帰りなさ…」
私と奥から出てきた左近様の目が合った。