情炎の焔~危険な戦国軍師~
俺はこんなにも彼女を愛していた。


彼女も誰より俺を愛してくれていた。


友衣さんは400年後の人間。


俺はこの時代の人間。


だから彼女は帰るべき場所に帰っていっただけだ。


これが当たり前なんだ。


なのに、心は空っぽ。


時間が解決してくれるかもしれない。


最初はそう思った。


だが、14年経った今でも彼女の残像は消えない。


色褪せることすらない。


自他共に認める誑(たら)しの左近が、こんなにも一途に1人の女を愛せるようになるなんて。


友衣さん、あんたは大した女(ひと)だ。


「会いたい…」


あの笑顔に。


あの声に。
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