情炎の焔~危険な戦国軍師~
「元、誑しの左近をこんなに狂おしい気持ちにさせるなんて友衣さん、あんたはやはり大した人です」
「左近様…」
羞恥のあまり顔を背ける。
「恥ずかしがるくらいまだまだ男慣れしていないのは変わってないですけどね」
「一言余計ですよ」
「昔、言ったでしょう?男慣れしていない方が好きだって」
私は黙って彼の腕の中に飛び込む。
「もう黙って下さい」
「口ふさいでくれないと黙れませんよ」
「もう!」
顔の熱さを感じながら叫んだら、からからと笑う声が冬の乾いた空気に響いた。
ふいにバチッと目が合い、お互いの瞳にお互いの顔が映る。
「俺は確かに若くない。だが、あんたを思う気持ちはあの時と変わらない。もちろん、これから先も」
その目はまるで森林の奥の秘境に、誰に知られることもなく存在する泉のように澄んでいた。
「友衣さん…」
熱のこもった甘い声が聞こえ、精悍なのに苦しげな顔が窺うようにゆっくり近付いてくる。
鼓動が数倍高まり、雪を溶かすほどに体が熱くなるのを感じながら私はスッと目を閉じた。
久しぶりに迫られるキス。
左近様…。
その時。
「やはりあなた達はそうなんですね」
「左近様…」
羞恥のあまり顔を背ける。
「恥ずかしがるくらいまだまだ男慣れしていないのは変わってないですけどね」
「一言余計ですよ」
「昔、言ったでしょう?男慣れしていない方が好きだって」
私は黙って彼の腕の中に飛び込む。
「もう黙って下さい」
「口ふさいでくれないと黙れませんよ」
「もう!」
顔の熱さを感じながら叫んだら、からからと笑う声が冬の乾いた空気に響いた。
ふいにバチッと目が合い、お互いの瞳にお互いの顔が映る。
「俺は確かに若くない。だが、あんたを思う気持ちはあの時と変わらない。もちろん、これから先も」
その目はまるで森林の奥の秘境に、誰に知られることもなく存在する泉のように澄んでいた。
「友衣さん…」
熱のこもった甘い声が聞こえ、精悍なのに苦しげな顔が窺うようにゆっくり近付いてくる。
鼓動が数倍高まり、雪を溶かすほどに体が熱くなるのを感じながら私はスッと目を閉じた。
久しぶりに迫られるキス。
左近様…。
その時。
「やはりあなた達はそうなんですね」