情炎の焔~危険な戦国軍師~
第5戦 雪
「♪降る雪が~私の足跡を静かに消してく~」
掃除の合間、積もった雪を見ながら私はJ-POPを熱唱していた。
「♪あなたへの想いも積もるのに決して届かない~」
人目もはばからず歌い続ける。
「♪だから雪よ、足跡だけじゃなくすべて消し去って。この胸の情炎さえも~」
すると後ろからパンパンと手を叩く音がする。
「なかなかお上手じゃないですか」
「あ、左近様」
私はつい姿勢を正す。
「聞いたことない歌ですが、何の歌です?」
「私の世界の歌です」
「400年後の、ですか」
「はい。それにしても冬に冬の歌を歌うと、変にしみじみしちゃいますね。ここはあえて夏の歌でも歌いますか」
「夏の歌?」
「はい。島歌っていう歌ですけど」
「島歌?なんです、俺の歌ですか?」
「うふっ!」
考えてもみないことを言うので思わず吹き出してしまった。
「違いますよ」
「そうですか」
恥ずかしいらしく、左近様は苦笑しながら小さく肩をすくめる。
「♪海風に吹かれしー、波が呼び寄せる~あなたの声を~。揺れるさとうきびがー」
「おい」
気持ち良く歌っているといきなり誰かの冷たい声で中断させられた。
掃除の合間、積もった雪を見ながら私はJ-POPを熱唱していた。
「♪あなたへの想いも積もるのに決して届かない~」
人目もはばからず歌い続ける。
「♪だから雪よ、足跡だけじゃなくすべて消し去って。この胸の情炎さえも~」
すると後ろからパンパンと手を叩く音がする。
「なかなかお上手じゃないですか」
「あ、左近様」
私はつい姿勢を正す。
「聞いたことない歌ですが、何の歌です?」
「私の世界の歌です」
「400年後の、ですか」
「はい。それにしても冬に冬の歌を歌うと、変にしみじみしちゃいますね。ここはあえて夏の歌でも歌いますか」
「夏の歌?」
「はい。島歌っていう歌ですけど」
「島歌?なんです、俺の歌ですか?」
「うふっ!」
考えてもみないことを言うので思わず吹き出してしまった。
「違いますよ」
「そうですか」
恥ずかしいらしく、左近様は苦笑しながら小さく肩をすくめる。
「♪海風に吹かれしー、波が呼び寄せる~あなたの声を~。揺れるさとうきびがー」
「おい」
気持ち良く歌っているといきなり誰かの冷たい声で中断させられた。