情炎の焔~危険な戦国軍師~
第48戦 決意、そして試される愛情
「真田幸村!」


九州の雄、島津家の人に「日の本一の兵(つわもの)」と言わしめたと言われるあの真田幸村が目の前にいるなんて。


関ヶ原の戦いの時は上田城で徳川秀忠軍を足止めしてくれたはずだ。


私の頭の中に、いつか三成様とした会話が蘇る。


「これは?」


「幸村からの文だ」


「幸村様の、ですか」


「忍城攻めの時に幸村の父上、昌幸殿と知り合ってな。それで幸村とも」


「そうでしたか」


「彼らは上田城で徳川秀忠隊を足止めしてくれているようだ」


だから敵ではないはず。


忍が、左近様はこの城内にいると言っていたし、彼は無事だろう。


思わずホッと息をつく。


っていうか。


「あの、私に頼みたいことって一体何ですか?」


「豊臣を助けてほしい」


「え?」


「真田の兵士となって徳川と戦ってほしい」
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