情炎の焔~危険な戦国軍師~
「申し上げます!」
「どうした、影月」
「石田三成様、関ヶ原にて敗北!」
ガン、と頭を殴られた気がした。
「何!?まだ1日しか経っていないではないか。真か?」
心の中で大いなる絶望とわずかな期待が同居する。
「間違いございませぬ」
小さな期待は一瞬で消えた。
父上が肩を落とす。
「して…、義父上は?」
嫌な予感に襲われて、声の震えが隠せない。
「大谷吉継様、ご自害…」
「なんと…!」
膝の力が急激に抜け、その場に座り込む。
仰いだ空は、残酷なほど青く澄み渡っていた。
そして10月1日。
「申し上げます。石田三成様は六条河原にて、処刑されたとのこと」
影月はそう言って目を伏せた。
「み、三成殿…。三成殿ー!」
ただ叫ぶ某の元に、父上が静かにやってきた。
「幸村。これからわしらはどうなるか分からぬ。家康が勝った今、処断もされかねぬ」
「…」
「しかし、お前の友らを死に追いやった狸を、折を見て必ず討つ」
その後、兄上の助命嘆願によって父上と某は九度山に蟄居することになった。
しかし数年後、父上は病に倒れる。
「まこと口惜しきことよ」
枯れ木のようにやつれてしまった父上は病床で、蚊の鳴くような声で呟く。
「あの狸を翻弄してもう一泡吹かせたかったのだが」
「父上、もう無理にお話にならない方が」
某の言葉が届いているかも分からず、父上はぽつりと呟いた。
「信之…」
「どうした、影月」
「石田三成様、関ヶ原にて敗北!」
ガン、と頭を殴られた気がした。
「何!?まだ1日しか経っていないではないか。真か?」
心の中で大いなる絶望とわずかな期待が同居する。
「間違いございませぬ」
小さな期待は一瞬で消えた。
父上が肩を落とす。
「して…、義父上は?」
嫌な予感に襲われて、声の震えが隠せない。
「大谷吉継様、ご自害…」
「なんと…!」
膝の力が急激に抜け、その場に座り込む。
仰いだ空は、残酷なほど青く澄み渡っていた。
そして10月1日。
「申し上げます。石田三成様は六条河原にて、処刑されたとのこと」
影月はそう言って目を伏せた。
「み、三成殿…。三成殿ー!」
ただ叫ぶ某の元に、父上が静かにやってきた。
「幸村。これからわしらはどうなるか分からぬ。家康が勝った今、処断もされかねぬ」
「…」
「しかし、お前の友らを死に追いやった狸を、折を見て必ず討つ」
その後、兄上の助命嘆願によって父上と某は九度山に蟄居することになった。
しかし数年後、父上は病に倒れる。
「まこと口惜しきことよ」
枯れ木のようにやつれてしまった父上は病床で、蚊の鳴くような声で呟く。
「あの狸を翻弄してもう一泡吹かせたかったのだが」
「父上、もう無理にお話にならない方が」
某の言葉が届いているかも分からず、父上はぽつりと呟いた。
「信之…」