情炎の焔~危険な戦国軍師~
第53戦 戦国のバレンタイン作戦⁉
ある日。
「うん、さすがは城下町一番の饅頭屋。甘すぎず、絶妙だ」
左近様の部屋にお邪魔してみると、彼は饅頭を手にニコニコしている。
「おっ、おいしそうですねえ」
「これは友衣さん。あんたも食べます?」
キラキラの笑顔と上機嫌な声、そして饅頭がこちらに差し出された。
「ありがとうございます。でも、朝餉でお腹いっぱいで」
「おや、残念」
「ところで、今日って何日でしたっけ」
そんなに饅頭が好きなら、誕生日のプレゼントにでも…って思ってそう聞いたものの私、左近様の誕生日を知らないんだっけ。
というか、この時代だから年が改まったら一歳年を取るという数え年の概念か。
そんな私の考えも知るはずがなく、左近様はさらりと言う。
「如月(2月)の13日ですね」
え、それって!
「そっか!今日って2月13日かあ。明日はバレンタインだ」
「ばれんた?」
左近様はポカンとしている。
「未来では2月14日はバレンタインデーとされているんです。この日は、女性が好きな男性にチョコレートという西洋の甘いお菓子を贈る風習があります。まあ、チョコに限らなくても相手のほしいものでいいんですけどね」
「へえ」
「まあ、これはちょっと複雑で、付き合い程度にあげる義理チョコ、友人にあげる友チョコなるものもあるんですけどね」
あれ、これで説明合ってるよね?
まあ、説明を続けちゃおう。
「ちなみに3月14日はホワイトデーといって、男性が女性にお菓子を贈る日なんです」
「ほう。それはまた不思議な習慣があるもんですね」
眼前に広がる興味津々顔を見て、急にテンションが上がってきた。
こうしちゃいられない。
3ヶ月も経たないうちに、本当の戦が待っているんだもの。
ちょっとくらい戦国を忘れて女子の戦に参加したっていいよね。
「要するに、バレンタインは恋する乙女の戦というわけです」
「そうなんですか。未来の女もなかなかに大変なんですね」
「まったくですよ。それじゃ左近様、また明日!」
まだ朝だというのに私はそう言って城下町へ、まるで戦に出陣する武士の如く走っていった。
「うん、さすがは城下町一番の饅頭屋。甘すぎず、絶妙だ」
左近様の部屋にお邪魔してみると、彼は饅頭を手にニコニコしている。
「おっ、おいしそうですねえ」
「これは友衣さん。あんたも食べます?」
キラキラの笑顔と上機嫌な声、そして饅頭がこちらに差し出された。
「ありがとうございます。でも、朝餉でお腹いっぱいで」
「おや、残念」
「ところで、今日って何日でしたっけ」
そんなに饅頭が好きなら、誕生日のプレゼントにでも…って思ってそう聞いたものの私、左近様の誕生日を知らないんだっけ。
というか、この時代だから年が改まったら一歳年を取るという数え年の概念か。
そんな私の考えも知るはずがなく、左近様はさらりと言う。
「如月(2月)の13日ですね」
え、それって!
「そっか!今日って2月13日かあ。明日はバレンタインだ」
「ばれんた?」
左近様はポカンとしている。
「未来では2月14日はバレンタインデーとされているんです。この日は、女性が好きな男性にチョコレートという西洋の甘いお菓子を贈る風習があります。まあ、チョコに限らなくても相手のほしいものでいいんですけどね」
「へえ」
「まあ、これはちょっと複雑で、付き合い程度にあげる義理チョコ、友人にあげる友チョコなるものもあるんですけどね」
あれ、これで説明合ってるよね?
まあ、説明を続けちゃおう。
「ちなみに3月14日はホワイトデーといって、男性が女性にお菓子を贈る日なんです」
「ほう。それはまた不思議な習慣があるもんですね」
眼前に広がる興味津々顔を見て、急にテンションが上がってきた。
こうしちゃいられない。
3ヶ月も経たないうちに、本当の戦が待っているんだもの。
ちょっとくらい戦国を忘れて女子の戦に参加したっていいよね。
「要するに、バレンタインは恋する乙女の戦というわけです」
「そうなんですか。未来の女もなかなかに大変なんですね」
「まったくですよ。それじゃ左近様、また明日!」
まだ朝だというのに私はそう言って城下町へ、まるで戦に出陣する武士の如く走っていった。