情炎の焔~危険な戦国軍師~
「どうしたらいいの…」


途方に暮れた私は廊下で呟く。


「明日バレンタインなのに」


生まれた時代は違うけど、初めての恋人と素敵なバレンタインにしたかった。


なのに、つまらない嫉妬で嫌な思いをさせてしまった。


「仲直り、したい」


何をあげるかはもう考えている。


渡すシチュエーションも。


あとは実行するのみ。


「ちゃんと渡して、ちゃんと謝らなきゃ」


このままじゃいけない。


向き合おう、愛する人に。


ここからが、本当の乙女の戦の始まりだ。


「左近様」


ちょっとだけ待ってて下さいね。


初めてのバレンタイン。


ちっぽけな障害に邪魔されるわけにはいかない。
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